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2009年7月

2009/07/24

INSPIRATION(TETRA THE COMICS HERO)

Inspiration

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2009/07/17

14.コイプのおつかい

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2009/07/14

THAN I THOUGHT...

Than_i_thought

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2009/07/07

APPEAL!!

Appeal

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2009/07/04

11と1/2.ナナナとパオンナ

カフェ・フィンクの外席はいつもと変わらない風景。近所の奥様方が午後のひとときをおしゃべりで過ごしていたり、サラリーマン風の男が遅めの昼食をしていたり、ウェイトレスがテーブルの上を拭いていたり。
そこに渡り熊(白)のナナナと象のパオンナがトコトコと(正確にはズシズシと)やって来て椅子に腰掛けた。それに気が付いた奥の席の奥様がパオンナに手を振る。パオンナもそれに答えて手を振った。驚いたのはサラリーマン風の男で、最初しばらくはスプーンをくわえたまま呆然とこちらを眺めていたのだがあまりに周囲が象やら白熊を、さも当たり前の様に見ているのでそういうものなのかと食事を続けた。(チラチラこちらを見ているが。)

『自分のルーツ?それで動物園を抜け出したの?』
パオンナは席につくなりナナナに聞いた。
『そうだよ。パオンナは知りたくない?』
『んー、ゴメン、全然。』
テーブルを一通り拭き終わったウェイトレスが注文を取りに来た。
「パオンナさんこんにちは。お友達ですか?」
「…うん、動物園の後輩なの。」
「今日は何になさいますか?」
「えーと、メープルフラペチーノのヒュージ。」『ナナナは?』
パオンナはメニューを長い鼻でクルッと持ってナナナに渡した。
『…僕、人間の文字読めない…。』
『あ、そうか。じゃあ同じのでいい?』
『うん、何でもいい。』
ウェイトレスは二人のやり取りを黙って聞いている。(ちなみに人間には『』は何を言っているのかはわからない。)
「すいません、それを2つ。」
「メープルフラペチーノのヒュージを2つですね?」
「あ、こっちのは氷多めで。」
鼻でナナナを指差した。
「かしこまりました。」
ウェイトレスはメニューをコシャコシャと書いて、少々お待ち下さいと言ってお店に入って行った。
『僕も僕のパパも動物園生まれなんだ。おじいちゃんは違うみたいなんだけど。』
『ふーん。』
『パオンナは知ってるの?自分がどこから来たのか。』
『そんな事、考えた事ないわ。』
『そっか、…僕って変なのかな?』
『うーん、変っていうか、…実はね、昔あなたのお父さんも同じ事言ってたわよ。』
『え!パパも?』
ガシャーン!ナナナが身を乗り出したので、お尻が挟まっていた椅子がスポンと抜けて後ろに倒れた。サラリーマン風の男がビクッとした。
『あ、スイマセン。っつーかパオンナ、パパの事知ってんだ?』
ナナナは椅子を起こして戻しながら言った。
『私が背骨山に配属になってから1年くらいは一緒にいたかな?でもさ、それってもしかしたら渡り熊の習性なのかもよ。』
『それ?ルーツを知りたいって事?』
『いや、違うか。野性の渡り熊は親とか知ってるよね、きっと。でもウロウロするんだもんね。』
『ウロウロって…。』

メープルフラペチーノが来た。ゴトン、ゴトン。ウェイトレスは長靴みたいな大きさのグラスを2つ置く。テーブルはそれだけでいっぱいになった。
『ナナナはどうするの?これから。』
『いや、別に決めてないよ。これ美味しいねぇ。』
風が出てきた。のんきなナナナの毛がふわっと揺れる。
『ひほほはいはは?』
『え?』
ナナナは口の中の大きな氷をグラスに出して言い直した。
『何か仕事ないかな?』
『あー、どうだろう。難しいかもよ。だって人間の言葉わからないんでしょ?』
『いや、何となくはわかるよ。字は読めないし喋れないけど。』
『うん、なら多少は良いかな。色々声かけてみようか?』
『ほへはいひはふ。』
『おねがいします、ね。それはわかった。』

街灯の下にぶら下がっている『がんばれ!FCチャンバ』のペナントが風で揺れている。

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