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2009/03/03

4と1/2.毎日の音読

「『今度こんなイタズラをしたら、お前のそのりっぱにのびたシッポを燃やしてやるから覚悟しておけ。りっぱだっていばっていたって炭になって煙りがのぼりゃさぞかしゆかいだろうな。切り取って山マグロのエサにしたっていい。』
雨ねこの青い顔がきょうふでさらに青くなっていきます。
『友だちにも家族のものにもきちっと伝えるんだ。わかったな。』
星みがきは大きなこえでいいました。雨ねこはにゃおんとだけいって小屋からそそくさと出ていきました。雨ねこが表の自転車に乗って行くのが窓から見えました。
『よし、もう大丈夫だ。出ておいで。あまざけでも入れよう。それともあまざけは苦手かい?』
と星みがきがいうと、だんろに隠れていたヒョウタンモドキと外人リスがゆっくりと出てきました。
はい、今日はおしまい。」
メケーロおばさんはポエタの差し出した『毎日の音読』の表の『よくできた』に丸を付けて、となりの四角の中にサインをした。
ちょうど遊びに来ていたゲレーロおばさんが怪訝(けげん)な顔をして言った。
「姉さん…近頃の教科書はずいぶん乱暴なお話を載せるのね…。シッポを切り取るだなんて。」
「うん、でも雨猫もひどいイタズラしたから。」
メケーロが答えた。
「ふーん、どんな?」
「ポエタ、教えてあげて。」
メケーロはそういうと立ち上がって台所に行った。
「ヒョウタンモドキのクツヒモを芯にしてロウソクを作ったんだよ。」
「…随分手の込んだイタズラね。えーと、リスには?」
「リスじゃないよ、外人リス。」
「はいはい、…その外人リスもイタズラされたの?」
「うん、呼び捨てにされたの。」
「…。」
ポエタはオレンジソーダに浮いている氷を指先でクルクルいじりながら答えた。
「…最後はどうなるの?」
「星磨きが悪い狩人に殺されちゃうんだよ。」
「えぇ!?」

ショック!小学生の国語の教科書で殺人が起こるとは!そんな衝撃的な結末の物語が教材として使われていいのだろうか?なのに甥っ子は平気な顔をしているし、不安でならない。

「でも星磨きが死んだ後でね、雨猫とヒョウタンモドキと外人リスは悲しくなって仲直りできたんだ。だから星磨きが死んだ事はムダではなかったんだよ。雨猫はシッポを焼かれたけど。」
ポエタが目をキラキラさせて続きを教えてくれた。
「うーん…何か、何だろう、この気持ち。善いのか悪いのか。」
「善し悪しなんて子供が判断すればいいのよ。最初から読むと結構面白いわよ。」
メケーロはポリポリと口を動かしながらテーブルに漬物の器を置いた。

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コメント

ゲレーロッッ☆

雨猫◎
外人リス◎
山マグロ◎

ヒョウタンモドキ、、、、

投稿: 通衛 | 2009/03/06 13:21

そう。ヒョウタンモドキ。
決してヒョウタンではないって事で。

投稿: おおたけ | 2009/03/07 14:35

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