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2009/01/20

1/2.イオットとレレ

「へー、クリスマスって、その何とかさんの誕生日なんだー?」
イオットは水色とピンクのボールをボンボンと手で地面に弾ませている。
「イオットって何もかも知らないのね?」
こちらはレレ。イオットとレレは家が同じ方向なので帰りはいつも一緒だ。
「じゃあイオット、サンタさんて誰か知ってる?」
「え?サンタさんはサンタさんでしょ?苗字は知らないけど。」
「ブブー!サンタさんはパパよ。」
「パパ?」
「そうよ。」
大通りの信号は赤で、車の往来が激しい。少し雪も降ってきた。
「レレのパパってサンタさんなの?」
「違うわよ。サンタさんってみんなのパパよ。」
「はあ?」
信号が青になった。イオットとレレは横断歩道の白いところからはみ出ないようにピョコピョコ歩き出した。
「レレ、さっきの、とこで、レレは、一回、死んだ、から、もう、落ちない、でね。ホッ、ホッ。」
「…うん。てか、私の、話、ちゃんと、聞いて、た?」
「聞いて、た、よ。よし、死ななかったから1アップね。レレもだよ。」
横断歩道を渡り終わると、2人は通常の歩き方に戻った。
「サンタさんて何人もいるってこと?」
「んんと、サンタさんはいないのよ。」
「え?いないの?だってみんなのパパがサンタさんなんでしょ?」
「そう、だからサンタさんはパパなの!」
「??…レレの?」
「あー!んもう!」

2人はしばらく黙って歩いた。レレはどう言えば自分の主張がイオットに伝わるのかを考えている。イオットの方は、心の中で歩いている歩数を数えるのに夢中。
沈黙を破ったのはイオット。
「そーだ、今日ポエタのママがクッキー焼いてくれるんだってー。レレも行く?」
レレは首を横に振るとため息をついた。
「…男の子ってみんなこうかしら…。」

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