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2009/01/23

1と1/2.サンタクロースとポエタ

本当にサンタさんは来るのだろうか?残照灯に照らされた天井の木目模様がオバケに見えて怖いので、ポエタは布団を頭までかぶっている。
眠気で意識がモウロウとしてきた頃、家の前から『ドゥロロン、ドッドッドッ』というバイクのエンジンみたいな音が聞こえて止まった。直後、布団から出たポエタの頭の上を冷たい風がフワッと通り抜けた。
ポエタはハッとした!誰かいる!
(えーと、ポエタ…ポエタ…と、ソフビの恐竜か。)
どこから入ったのか、男は小さな声で独り言を言っている。布が擦れる音がした。袋から何か取り出しているようだ。
(…あった。ん、前足が短いな。)
枕元の靴下に押し込もうとするが、靴下が微妙に小さくてなかなかうまくいかない。
(くっ、この、しっぽ。くそ、入んねえ。)
(サンタさん?)
「ぅわ!?」
(シー!)
(ビックリしたー。何?何で起きてんの?)
(サンタさんなの?)
(…そうだよ。ビックリさせんなって。)
(…ホントにサンタさん?…ヒゲがない…ね。)
(ヒゲは課長職以上の、いや、何でもない。あぁ…困ったな、ポエタ、どうして起きてるんだ?)
若いサンタは自分のアゴを触りながら聞いた。
(僕ね、サンタさんにお願いしたいことがあって。)
(お願い?俺に?)
(うん、イオットのこと。)
(イオット…って?)
(お友達なんだけど、去年のプレゼントのことで。)
(イオット…イオット…、これから行く子かな?えと、今年はサッカーボールってなってるけど。)
サンタは分厚い台帳を開いて言った。
(あれ?でも去年のプレゼントもサッカーボールだったよ。)
(あ、やっぱり。じゃあ、サンタさん、去年間違えたんだよ。)
(…間違えた?…嘘?マジ?。)
(イオットのプレゼントね、ピンクと水色のボールだった。)
(!うわ!それその次の女の子のだわ。)
(すごいガッカリしてたよ。サンタさんなんて本当はいないんじゃないかって。)
(そうか…それで今年もサッカーボール…。あー、どうしよう。)
(僕の恐竜、イオットにあげていいよ。)
(いや、そういうのは駄目なんだ。サンタ法に違反するし、2つもらったからってサンタを信じることにはならないよね。)
(じゃあ、どうするの?)
(…どうしようか。)
(じゃあ、その帽子とか。)
(あ、ダメ。これ帽子じゃなくてヘルメットなんだ。ほら。)
(ホントだ。…じゃあ、サンタさん、ボールにサインしたら?)
(お、サインボールてこと?でも俺なんかのサインでいいの?)
(サンタさんのだからいいんだよ。証拠になるでしょ。)
(そうか。よし、じゃあそうしよう。ありがとう、ポエタ。)
サンタがポエタの方に向き直るとポエタはもう寝息をたてて眠っていた。

翌朝ポエタが目を覚ますと、頭に靴下をかぶった恐竜がこちらを向いて立っていた。

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コメント

やられたっshine

むかし、まだ、ちいさかったころ、
サンタがこんにちわ~って、玄関から入ってきた。
白い大きな袋から、
お願いしていたプレゼントを取り出して渡してくれた。

私の隣には、父と母が居て。
あ、サンタっているんだっておもった。
でも、礼儀正しいし、昼間に来るし、
変なのって、思った。

そんなことを、おもいだしましたとさconfident

投稿: YOKO | 2009/01/26 15:36

YOKOさん

昼間から配って回らないと間に合わないサンタもいるんですね。

投稿: おおたけしょうじ | 2009/02/10 10:01

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